こちらの『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』は、読書に苦手意識を持つ人でも無理なく習慣化できるように考えられた一冊です。

読書に対しての固定観念を覆し、楽しく継続するための新しい視点を与えてくれます。
この記事では、本書の要点を紹介しながら、読書を気軽に楽しむためのヒントをお届けします。
著者情報
著者は印南敦史さん。
書評家・編集者・作家として活躍し、読書に関する独自の視点を発信し続けています。
書評サイトや各種メディアで多数の書評を執筆し、「読書はもっと気楽で良い」をモットーに、読書習慣のハードルを下げる考え方を提案。
読書術や本の使い方に関する著書も多数執筆しています。
代表作に『遅読家のための読書術』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』などがあります。
本の内容

本書では「読書は続かないもの」「内容を覚えないと意味がない」「学びを行動に移さなければいけない」といった固定観念を手放し、もっと気軽に本を読むための読書方法を提案する一冊です。
読書の目的を固いものにするのではなく、例えば「なんとなく」「気になったから」といった曖昧な理由でもOKとし、まずは本に手を伸ばすことが重要だと提案しています。
無理にすべて読もうとせず、記憶やアウトプットにこだわらなくていいという考え方は読書に抵抗を感じていた人にとって新しい発見となるでしょう
読書のハードルを下げる3つのポイント
①すべて読まなくていい読書

「本とは最初から最後まで読むもの」
そんな思い込みが、読書のハードルを上げているかもしれません。
本書では、興味のある部分だけを読めばOKと提案しています。
途中で飽きたらやめても問題なし、つまらないと感じたら、別の本に移っても構いません。
大切なのは、読まなければいけないではなく、読みたいから読むという能動的な姿勢を持つことだとしています。
本を選んだことには、言葉にできなくても何かしら感じた部分があったからだと思います。
自分の感性や直感に従い、心に響く部分だけを拾いながら読むことも、立派な読書の形なのだと気づかされました。
②覚えようとしなくていい読書

「読んだ内容をしっかり覚えなければならない」——そんな思い込みが、読書のハードルを上げているのかもしれません。
でも、本の内容を完璧に記憶する必要はありません。むしろ、それは不可能に近いのです。
私の場合、1冊の本から覚えられるのは多くてもせいぜい3つ程度。
しかも、そのまま受け入れるのではなく、自分なりに納得できる形に落とし込んでいます。
本書では、読書の効果は無意識のうちに蓄積されていくと述べています。
なんとなくでも読み続けていれば、知識や考え方は少しずつ自分の中に染み込んでいくもの。
大切なのは、すべてを覚えようとすることではなく、読書を通じて何かが自分の中に残ることなのです。
そして、それが忘れたくないものに変われば、読書はさらに意味のあるものになるのではないでしょうか。
③ 結果を求めなくて良い

「読んだ内容は、必ず実生活に活かさなければならない」——そんなふうに考えると、読書が義務のように感じられ、楽しさが半減してしまいます。
しかし、本書では「読書の目的や目標はもっと気軽でいい」と強調しています。知識をアウトプットしようと意気込まず、「この部分がおもしろかった」「ここは共感できた」といった一言の感想だけでもOKなのです。
そこから、ふとしたときに「あの本、こんなこと書いてあったな」と思い出せたら十分。それくらい気楽に読書を楽しめば良いのです。
大切なのは、結果を求めすぎず、本を読むことが日常に溶け込むこと。自然と本に手が伸びること。
変化を実感できなくても、読書が楽しいと感じたり、「また本を読みたい」と思えたりすることこそが、読書を習慣化する第一歩なのだと思いました。
まずは「読もう」と気負わず、本を視界に入る場所に置くことから始めてみてはいかがでしょうか?
まとめ

読書が苦手だと感じている人にとって、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』は、まさに読書のハードルを下げてくれる一冊です。
「すべて読まなくて良い」「覚えなくていい」「結果を求めなくていい」と知るだけで、本はもっと自由に楽しめるものになります。
読書を習慣にしたいけれど、なかなか続かない——そんな人は、まず本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
書籍情報
【書籍名】世界一やさしい読書習慣定着メソッド
【著者名】印南 敦史
【出版社】大和書房
【出版日】2017/3/11
【項数】 208ページ
コメント