考えがまとまらずモヤモヤしがちな人へ。『ゼロ秒思考』で紹介される1分メモ術により、思考を言葉にし感情に振り回されない頭の使い方を解説します。

考えがまとまらず、頭の中がモヤモヤしてしまう。
そんな状態に心当たりはないでしょうか。
モヤモヤとは、考えはあるのに、うまく言葉にできていない状態のことです。
本書で解説されている「ゼロ秒思考」とは、考えや気持ちをその場ですぐに言葉にできる状態を指します。
頭の中の情報が整理されることで、課題の全体像や構造が見え、問題の本質が明確になります。その結果、本質的な解決策や取るべき行動が自然と浮かび、メリット・デメリットや、より効率的な進め方まで見通せるようになります。
このように、思考の「質」と「スピード」の両方が高いレベルで統合された状態――それが「ゼロ秒思考」です。
著者の赤羽祐二氏は、この思考法は一部の才能ある人だけのものではなく、誰でもトレーニングによって身につけることができると述べています。本書では、その具体的な方法として、A4用紙を使った「1分メモ」のトレーニングが紹介されています。
本記事では、本書の要点を押さえつつ、実際に1か月実践して感じたことや、うまくできなかった点も含めた正直なレビューをお伝えします。
ゼロ秒思考になるための3つポイント

①A4用紙に書く
『ゼロ秒思考』では、メモを書く紙のサイズとしてA4用紙が推奨されています。
著者は、紙の大きさは思考の幅に比例すると述べており、さまざまな方法を試した結果、思考の広がりと持ち運びのしやすさを両立できるA4サイズに落ち着いたそうです。
②20〜30字×4〜6行を書く
タイトルを書き、その下に20〜30字の文章を、4〜6行書く。
短すぎても思考が浅くなり、長すぎると考えすぎてしまうため、この分量が最適だと本書では説明されています。
この文字数により、文章は自然と一定の型に収まりやすくなります。
- 現状 → 課題
- 課題 → 解決案
- 疑問 → アイデア
- PDCAの具体的なサイクル
といった形で、思考が整理された文章になっていきます。
③1分で書く
1分という制限時間は、思考のスピードを上げるためのトレーニングです。
考えすぎる前に書き出すことで、躊躇せず、率直な表現ができるようになります。そのため、タイマーを使って時間を測ることが推奨されています。
実践・レビュー

実際にやってみて正直に言うと、2か月ほど実践した現在でも、1分で書き切るのはかなり厳しいと感じています。私の場合、1枚あたり2〜3分かかることも少なくありません。
ただし、本書でも「1分」はあくまで最終目標の目安とされており、最初から達成する必要はないと書かれています。はじめは3分程度から始め、徐々に時間を縮めていく形で十分だと感じました。
メモを書く中で、「なぜ?」「どうして?」と問いを重ねていくことで、悩みや問題を少しずつ分解し、頭の中が整理されていく感覚があります。
この整理する感覚を、紙の上だけでなく、実生活の中でも自然にできるようになりたいと思えるようになり、トレーニングにも前向きに取り組めるようになりました。
また、不安や問題をうまく言葉にできなくても、事実を書き出すだけで心が落ち着くことにも気づきました。
この点だけでも、このメモ術を続ける価値は十分にあると感じています。
要約・まとめ
✅ A4用紙は思考を広げるための「余白」
✅ 20〜30字×4〜6行が思考を整理する型になる
✅ 1分は目標。書き続けることでゼロ秒思考に近づいていく
『ゼロ秒思考』が伝えているのは、特別な才能やひらめきではありません。
考えをすぐに言葉にする力は、トレーニングで誰でも伸ばせるということです。
A4用紙に向かい、制限時間を決めて書くというシンプルな方法ですが、続けることで思考が整理され、感情に振り回されにくくなっていきます。
本書では、タイトルと日付を書き、20〜30字の文章を4〜6行、これを1枚として1日10枚書くことを基本のトレーニングとして紹介しています。ただし、最初からこの量をこなす必要はありません。まずは無理なく続けられるペースを見つけることが大切です。
また、仕事・人間関係・将来の不安など、書くテーマに迷わないよう、約4000のタイトル例が用意されています。「何を書けばいいかわからない」と手が止まってしまう人にも取り組みやすい構成になっています。
最初はタイトル例を参考にしながら、思いついたことをそのまま紙に吐き出してみる。
さらに、その書き出したメモの一文を次のタイトルにして、思考を深めていく――そんな使い方もおすすめです。
考えがまとまらず、同じ悩みを頭の中で繰り返してしまう。
そんな状態から抜け出したい人に、静かに背中を押してくれる一冊です。
書籍情報
【書籍名】ゼロ秒思考
【著者名】赤羽 雄二
【出版社】ダイヤモンド社
【出版日】2013/12/20
【項数】216ページ


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