【書評】『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(著)有川真由美─話しかけられる人には“理由”がある

会話

職場や日常で、「あの人、なぜかよく話しかけられてるな」と感じたことはありませんか?
私自身は、どちらかといえば“話しかけられない側”。別に寂しいわけじゃないけれど、ふと気づくと「声をかけられやすい人」との差を感じて、もやっとすることがありました。

そんなときに手に取ったのが、有川真由美さんの
『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』

この本は、「話しかけられる人」と「話しかけられない人」の違いを明快に整理しながら、
ちょっとした態度・言葉・雰囲気・服装の工夫で、人との関係がグッと変わることを教えてくれます。
読んでいるうちに、”話しかけられない”自分を少しずつ変えていけそうな気持ちになりました。


📚本書の構成(全5章)

  1. 第1章 話しかけたくなる人
  2. 第2章 「話しかけたくなる人」のマナー
  3. 第3章 「話しかけたくない」をなくすちょっとしたヒケツ
  4. 第4章 どんな人とでもキズナをつくるコツ
  5. 第5章 「話しかけるのがうまい人」の秘訣

とくに印象に残ったのは、次のような気づきでした。

「話しかけられる人」は、“穏やかな雰囲気をまとった人”であり、“自分からも話しかける人”であり、そして“受け入れてくれる人”であること。

こうした特徴は、誰でもちょっとした意識と工夫で身につけられるものばかり。
では、具体的にどうすれば“話しかけられる人”になれるのか?
本書を通して見えてきたヒントを、私自身の気づきから3つに絞ってご紹介します。

こんな人におすすめ
  • 人付き合いがちょっと苦手だと感じている
  • もっと気軽に話しかけてもらえる人になりたい
  • 職場や日常でもっと会話のきっかけをつくりたい

話しかけられる人になるポイント3選

① 「話しかけないでオーラ」をなくす

「話しかけないでオーラ」──あなたも見たこと、感じたことはありませんか?
実は私自身、オーラなんて見えないし、信じてないと思っていたのですが、この言葉には妙に納得してしまいました。

本書では、話しかけづらい人の特徴として、怒っている・不機嫌そう・忙しそう・自分の世界に入り込んでいるなど、いくつかの具体例が挙げられています。
こうした状態は、「今、話しかけないで」という雰囲気を自然と周囲に出してしまっているのです。

反対に、顔を上げて周囲に意識を向け、穏やかな表情でいる人は、それだけで「いつでも声をかけていいよ」というサインを発しています。
そして、目が合う機会が増えれば、それだけ話しかけられるチャンスも増えていく
つまり、話しかけられたいなら、まずは構えをゆるめることが何よりの第一歩なのです。

② 話しかける人は、話しかけられる人になる

「話しかけられたいなら、自分から話しかけよう」──言われてみれば当たり前ですが、実はこれ、なかなかできていませんでした。

本書では、“話しかけるという行動そのものが、相手への信号になる”と書かれています。
つまり、**「あなたに興味があります」「あなたは話しかけても大丈夫な人です」**というメッセージを、言葉にしなくても自然と伝えることができるのです。

たとえば、ちょっとしたあいさつでもいいし、「今日は暑いですね」みたいなひとことでもOK。
小さな一歩でも自分から話しかけることで、相手の警戒心はふっとゆるみ、
「この人とは会話ができる」「この人には話しかけても大丈夫」と感じてもらえるようになります。

私はこれまで、「話しかけるのが苦手だから、話しかけられないんだ」と思い込んでいました。
でも実は逆。自分から話しかけないことで、“話しかけにくい人”になっていたのかもしれないと気づかされました。

③ 受け入れてくれる人には、また話しかけたくなる

一度話しかけた相手に「それ違うんじゃない?」「でもさ……」と否定されると、
次にまた話しかけようという気持ちはスッと消えてしまいます。

本書では、「否定しないこと」こそが、人間関係の入り口になると繰り返し強調されています。
たとえ意見が違っても、まずは「そうなんだね」「なるほど」と、一度受け入れる姿勢が大切。
これがあるだけで、相手は「この人なら話しても大丈夫」と感じ、自然とまた声をかけたくなるのです。

話しかけられる人になるには、“正しさ”よりも“共感”や“安心感”が大事。
「この人は受け止めてくれる」と思ってもらえるような、やわらかい雰囲気やあたたかさが、何よりの魅力だと気づかされました。

要約・まとめ

✅ 穏やかな表情で視線を上げる

✅ 自分から話しかける人になる

✅ 否定せず、受け入れる人になる

✅ 特別なスキルより、“ちょっとした雰囲気や姿勢”が大切


「話しかけられる人」には、特別な才能や話術があるわけではありません。
むしろ、表情や姿勢、言葉の受け止め方など、“ちょっとした違い”が印象を大きく左右するのだと感じました。

私自身、もともと“話しかけられない側”でしたが、本書を読んでからは、少しだけ意識が変わりました。
声をかけられやすい人になることは、チャンスや出会いが増えるだけでなく、自分自身も心地よく過ごせるようになることなのだと思います。

まずは顔を上げて、ゆるやかな雰囲気で、相手の言葉をまるごと受け止めてみる。
そんな小さな一歩が、人との関係をゆっくり変えていく──
『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』は、そんな優しい変化を後押ししてくれる一冊でした。

書籍情報

【書籍名】なぜか話しかけたくなる人、ならない人

【著者名】有川 真由美

【出版社】PHP研究所

【出版日】2020/9/19

【項数】208ページ

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