【書評】『7日間で成果に変わるアウトプット読書術』(小川仁志)/1週間で本番に臨む戦略的読書

実用書

読書をしても、なかなか成果に結びつけることができないと感じることはありませんか?

「もっと効率の良い読み方があるのでは?」

「読み方が間違っているのでは?」

そのような悩みを持つ人は多いかと思われます。

本書の特徴の1つとして、読書で得た知識を7日間で実践レベルの形に仕上げます。

そしてもう1つは著者が哲学者であること。

哲学者は物事の本質に迫り、深く考えることに長けています。

この視点が、読書アウトプットにどのように活かされているのか。

小川氏のアウトプット読書術が7日間でどのような成果に変わるのか要点を絞って見ていきましょう。

こんな人におすすめ
  • 限られた時間で効率良く本を読みたい
  • 具体的なアウトプットの方法が知りたい
  • 読書をはじめたい人

著者情報

著者は小川仁志さん。

ビジネス書自己啓発書を中心に執筆活動を行っている著名な作家です。

1970年、京都府生まれ。哲学者・山口大学国際総合科学部准教授。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。商社マン、フリーター、市役所職員、徳山工業高等専門学校准教授、米プリンストン大学客員研究員を経て現職。商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。専門は公共哲学。著書に『7日間で突然頭がよくなる本』、『世界のエリートが学んでいる教養としての日本哲学』(共にPHP研究所)、『仕事が変わる哲学の教室』(KADOKAWA)等多数。

小川 仁志. 7日間で成果に変わるアウトプット読書術(p.158) . リベラル社. Kindle 版.より

本の内容

本書は、7日間という短期間成果を出すための具体的な読書法を紹介しています。

まず、一番大事なアウトプットの準備「プレアウトプット」とインプットの準備「プレインプット」

次に読書を継続できる環境作り「サラウンディングス」

そして哲学的インプット、読書内容を分析し、より効果的にアウトプットするための思考法「アナリシス」

最後に「アウトプット」

アウトプットの方法、具体例を仕事や会話、文章などさまざまなシーンに合わせてポイントをおさえながら実践レベルで解説しています。

7日間という明確な時間制限を設けて、目的を持ち、目標に向かって効率よく学ぶ方法が具体的に示されています。

行動力を高めたい人やビジネスパーソンにとって非常に実践的な内容となっています。

私的3つのポイント

①体系図で読書の効率化

簡単なものでいいので体系図にして整理しておくといいでしょう。これはその本の内容を一瞬で思い出すための魔法のツールでもあります。

小川 仁志. 7日間で成果に変わるアウトプット読書術 (p.32). リベラル社. Kindle 版.より

まず、一つ目のポイントは、頭の中の考えをにして可視化し、情報を整理することです。

読書には多くのステップが必要です。

例えば、

  • 読書前:目的・目標・スケジュールの設定
  • 読書中:要約・著者の主張・重要ポイントの抽出
  • 読書後:学びの整理・行動計画

新しい知識を得る中で、自分の思考の軸を保ちながら読むのは意外と難しいものです。

私も、思考の抜け漏れや目的のズレに悩んでいました。

しかし、本書の「体系図で可視化する」方法を試したところ、驚くほど情報整理がしやすくなったのです。

にするだけで、目的や目標の確認、必要なインプットの特定、アウトプットすべき行動の明確化がスムーズにできました。

方法として、マインドマップノートに図を書く手法があります。

私のおすすめはノートです。

読書中に迷子にならないよう、いつでも見える場所に置いておきます。

また、ノートに書くことで記憶にも定着しやすくなります

はじめはシンプルでOK。 タイトルを中心に、目的・目標を書き、気になった点をメモするだけで十分です。

大切なのは、頭の中の考えを書き出し、視覚的に確認すること。

可視化することで、
情報整理
記憶の定着
視点の切り替え

がスムーズになり、結果としてインプットとアウトプットの効率が上がります。

読書で迷子になりやすい人や、視野が狭くなりがちな人にこそ効果的です。
ぜひ試してみてください!

②1週間でプロになるための読み方

初級・中級・上級各2冊読みが基本

小川 仁志. 7日間で成果に変わるアウトプット読書術 (p.60). リベラル社. Kindle 版.より

あるテーマに関して1冊の本だけからアウトプットするのではなく、同じテーマの本を複数読み様々な視点からアプローチしていくことを提案しています。

本書の7日間で成果に変わるアウトプット読書術では、6日間で初級・中級・上級2冊ずつ計6冊を読み、専門的な知識を身につけてからアウトプットできる状態を目指します。

初級、中級、上級の定義ですが、

・初級:よく売れている、多くの人に知られている、権威がある、図表が多くわかりやすい。

・中級:初級と上級の中間の位置にある本。

・上級:専門書、専門家向けに書かれていた本。

また、ページ数専門用語の数で判断するという方法もいいかもしれません。

この中で特に重要なのは初級の本です。

そのテーマの基本となる本であるため、2~3日かけてじっくり読むことが推奨されています。

一方、2冊目以降は1冊目にない内容や異なる視点を中心に読み進めればよく、それほど時間をかける必要はありません。

どの本が初級・中級・上級か事前に把握できると良いのですが、分からなければレビューや書評ブログの記事を参考にすると良いでしょう。

③哲学的思考法を活用した読書法

哲学では場面に合わせた様々な思考法があります。

読書に関しても効果的な哲学的思考法がいくつかあります。

そこで、読書をより効果的にするための哲学的思考法を5つご紹介します。

  1. 直観: 率直な感想を大事にする
    第一印象や感情的な部分はすぐ忘れてしまうので、必ずメモします。目標の再確認や自己分析の手掛かりとなります。
  2. 構造主義: 全体を俯瞰する
    著者の主張や本の構成を体系図にまとめ、全体像を把握することで、要点を整理しやすくなります。
  3. 批判: 疑問を持つ
    本の内容をそのまま受け入れず、自分の知識や他の本と照らし合わせて吟味します。納得できる視点を探すことで深い理解が得られます。
  4. 脱構築: 自分の言葉でまとめる
    学んだ内容を分析し、自分の言葉に再構築します。このプロセスにより、具体的なアウトプットが生まれます。
  5. 弁証法: 第三の答えを探す
    多読や本の内容と自分の考えがぶつかったとき、どちらかを選ぶのではなく、新たなアイデアや方法を見つけるきっかけにします

これらの思考法を意識して読書を進めることで、知識を深め、より実践的なアウトプットへとつなげることができます。

読書を「学ぶ」だけでなく「活用する」ために、ぜひ試してみてください。

まとめ

体系図を活用し、全体像を把握する。

初級 → 中級 → 上級と段階的に学び、7日で成果に繋げる。

アウトプットを前提に読み、実践につなげる。

多角的な視点で本質を見極める。

読書は単なるインプットではなく、行動に移してこそ真の学びになります。

体系図を活用して思考を整理し、段階的に知識を深め、アウトプットを意識しながら読むことで、得た知識が7日後、確実に自分の力となるはずです。

多角的な視点を持ち、より広い世界を見渡せるようになれば、読書の価値はさらに高まります。

ぜひ実践し、読書を成果につなげてください!

書籍情報

書籍名】7日間で成果に変わるアウトプット読書術

著者名】小川仁志

出版社】星雲社

出版日】2016/9/23

項数‎ 208ページ

目次

第1章 アウトプットするための読書準備プレイアウトプット

第2章 すぐに情報が取り出せる読書法プレインプット

第3章 はかどる特殊環境の作り方サラウンディングス

第4章 読書自分のものにする思考法アナリシス

第5章 1週間で本番!話すためのシーン別戦略読書術

第6章 1週間でプロ級!文章にまとめるシーン別戦力読書術

第7章 アウトプットを効果的にする読書術

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