【書評】TAKE NOTES!(ズンク・アーレンス)──つながりがアイデアを生む、思考するメモ術

メモ術

メモが活用できない…を解決!『TAKE NOTES!』を読み、ツェッテルカステンを試して気づいた、初心者でもできる思考が深まるメモ術を紹介します。


メモとは「情報を書き残すためのもの」──ずっとそう思っていた私に、新しい視点をくれたのがズンク・アーレンス著『TAKE NOTES!』でした。本書で紹介される“ツェッテルカステン”は、メモ同士のつながりから新しいアイデアを生み出す、まったく新しい思考メモ術。実際に試してみると、ただ書き留めるだけのメモとはまったく違う「思考が動き出す感覚」がありました。この記事では、ツェッテルカステンの基本を軽く紹介しつつ、私自身が実践して「これが大事だ」と感じたポイントをまとめていきます。

ツェッテルカステンとは?

ツェッテルカステンとは、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが使っていた“紙のカードをつないで思考を広げるメモ術”です。特徴は、単なる整理法ではなく、つながりから発想を生み出すという点にあります。

ルーマンは2つのボックスの他に5種類のメモを整理していました。

  1. 走り書きのメモ:日常の疑問や気づきを書き留める
  2. 永久保存版メモ:自分の思考として再構成するメモ
  3. 文献メモ:読書・調べものを自分の言葉でまとめる
  4. 索引メモ:全体の道標・キーワード
  5. プロジェクトメモ:行動・アウトプットに使うメモ

形式だけ見ると複雑に感じますが、本質は「メモをつなげることで思考を深める」こと。
ここから、私自身がツェッテルカステンを試して気づいた“初心者でも無理なく実践できるポイント”に入っていきます。

こんな人におすすめ
  • メモを取っても上手く使いこなせず、「書きっぱなしで終わってしまう…」と感じている方
  • 実用的で継続できるメモ術・ノート術を知りたい方
  • メモを行動につなげたい、現実の変化に結び付けたいと思っている方
  • ツェッテルカステンなど“思考を深めるメモ術”に興味がある方
  • 仕事や日常の考えを整理し、スッキリさせたい方

新しいアイデアを生み出す3つのポイント

① “1アイデア=1枚のメモ” に書く(思考を体系的に捉える)

ツェッテルカステンの基本は、1枚の紙に1つのアイデアを書くことです。ひとつの紙に色々書いてしまうと、後から整理しにくくなり、アイデア同士のつながりが見つけにくくなってしまいます。

逆に、1アイデア=1枚のルールを守ると、思考の粒がハッキリ分かれて、

  • 並べて比較しやすい
  • 類似点や違いが見つかりやすい
  • 別の文脈にも再利用できる
    というメリットが生まれます。

📌私の実践例:ブロックメモ1枚にそのままのひらめき気持ちを書く

私はまず、100円ショップでも買えるような小さめのブロックメモを机に置き、
「いいアイデアが浮かんできた」「言葉にできないけどモヤモヤする」
という時に、そのまま1枚に書き出すようにしています。

具体的には、こんな感じです。

  • いま感じている不安をそのまま書く
  • 頭に浮かんだひらめきを「雑に」1枚へまとめる
  • まとまらなければ分けて、2枚・3枚と増やす

すると、書き出していくうちに
「これは仕事に活かせる」「これは人間関係の悩み」
など 思考や気持ちの粒が分離して整理されていく感覚 がありました。

書いて並べると、自然に
「ここは関連してるな」
「これは別の問題だったんだな」
と理解しやすくなります。

この “視覚的に区別できる感じ” が、1アイデア=1枚の大きなメリットだと思います。


② メモ同士のリンクを作る(リンク・タグ・番号で繋がりや関係性を可視化)

ツェッテルカステンの核心は、メモを「単体で終わらせない」ことにあります。
1枚1枚のメモを並べて眺めると、共通点や違い、新しい視点が自然と見えてきます。

さらに副次的な効果として、
リンクされたメモは記憶や想起を助ける「記憶術」としても非常に有効だとされています。

● 共通点・違いを多角的に探すことで思考が深まる

メモ同士を比較する際は、次のような視点で見ると気づきが生まれやすくなります。

  • 似ているところは?
  • 違うところは?
  • 別の立場で考えてみると?

こうしてメモ同士をつなぐと、自分の思考が“地図のように”見えてきます。


📌 私の実践例:不安を書き出して、文献メモとつなげて整理する

私は、まず頭の中の不安やモヤモヤを走り書きのメモに書き出します。
次に、その不安に関連する本や記事の内容を文献メモとして別の紙にまとめます。

そして、

「不安に感じていること」+「読書や記事で調べた解決策やヒント」

これらを掛け合わせて、永久保存用のメモとして1枚に整理していきます。

この一連の流れで、走り書き → 文献 → 整理、とメモがつながっていきます。

不安に関するメモを複数並べてみたとき、
「なぜかいま複数の悩みが重なっているように感じる…」
と思っていたものが、

  • 実は悩みの根っこは人間関係だった
  • ほかの悩みもそこから派生していた

という“共通点”に気づくことができました。

1枚では気づけなかったことが、並べることで浮かび上がるものに気づけるのです。

この体験を通して、
「自分の視点ってこんなふうに偏っていたんだ」
という新しい発見があり、思考の幅が少し広がった実感があります。


③ “新しい発見” を、また1枚のメモにする(アイデアからアイデアを生む)

②でメモ同士を並べて関係性を探すと、そこから思いがけない発見やアイデアが生まれます。

この「気づき」を新しい1枚のメモとして残すことこそ、ツェッテルカステンの大きな魅力です。

私が特に面白いと感じたのは、単なるノートやメモとは違い、ゼロから思い出して考える必要がないという点です。

普通のノート術でアイデアを考えようとすると、

「あれ、あの時どう思ったんだっけ?」
「関連する知識は何だっけ?」

と、いちいち脳内検索が必要になります。

しかしツェッテルカステンでは、“すでに外に出したメモ同士を見比べるだけ”で済みます。

想起の負荷がない分、思考だけに集中できるのです。
視覚的につながりを見ながら考えられるので、脳のリソースが節約され、思考の整理やアイデア生成が驚くほどスムーズになります。

📌 私の実践例:解決策が“ほかの悩みに応用できる”発見

私は悩みが生まれると、それをまずメモに書き出します。

例として、

「今の職場は働きにくい」

という漠然とした悩みを細分化していくと、

→ 実は“人間関係”が原因だった

と気づきました。

そこでその悩みに対する解決策として、

  • 否定しない姿勢を持つ
  • 相手の話を遮らない
  • まず信頼関係をつくる

といった内容を1枚のメモにまとめました。

すると、ここでふと別のメモが目に入ったんです。

それは、

「子どもが宿題をしないとき、“どうしたい?”と聞くことで自主性が育つ」

というまったく別テーマのメモでした。

一見関係のない2枚ですが、並べて眺めるうちに、

「どちらも相手を動かす前に、まず尊重する姿勢が必要なんだ」

という共通点に気づいたのです。

この気づきが、また新しい1枚のメモになります。

メモが1枚増えるたびに小さな達成感と自信が生まれ、

「また新しい発見をしよう」

という意欲が自然と湧いてきます。

この好循環思考が育っていく感覚こそ、ツェッテルカステンの醍醐味だと思います。

要約・まとめ

1アイデア=1枚にする
→ 思考を分解し、ひとつひとつ独立した形で扱えるようにする。

メモ同士をつなげる
→ 並べて比較することで、共通点や違い、新しい視点が見えてくる。

✅ 発見をまた1枚のメモにする
→ つながりから生まれた「気づき」を次の思考の材料に変える。

ツェッテルカステンを実践して感じたのは、
悩みや疑問を“放置しない形”で外に出し、整理し、更新し続けられる仕組みだということです。

悩みを書き出すだけでは終わらず、
そこに解決策・気づき・新しい視点を足していくことで、
メモがただの記録ではなく、「学び」と「成長」のストックになる。

それこそが、私が本書から得た最大の価値でした。

ニクラス・ルーマンは、
毎日6枚のメモを書き続け、人生を変えたと言われています。

ですが、いきなり完璧を目指す必要はありません。

まずは1枚でいい。

浮かんだ気づき、不安、ひらめき、引用、愚痴でも構いません。

メモを書く

並べて眺める

たったこれだけで、思考はゆっくりと動き始めます。

メモが2枚、3枚と増えていくと、自分でも気づかなかった考えが体系化され、新しい視点や行動のヒントが現れてきます。

まずは今日、1枚。
あなたの頭の中にある言葉を、紙に出すところからはじめてみてください。

書いたその1枚が、未来のあなたを助けてくれるかもしれません。

書籍情報

【書籍名】TAKE NOTES!

【著者名】ズンク・アーレンス

【出版社】日経BP

【出版日】2021/10/14

【項数】280ページ

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