【書評】『超雑談力』(著)五百田 達成──雑談の隠されたルール!初対面・知人・ビジネス別で学ぶ3つのコツ

会話

「雑談は苦手」「会話が続かない」と感じていませんか?
本書『超雑談力』(五百田 達成 著)は、雑談を通じて人間関係を豊かにするための実践ポイントをわかりやすく解説しています。著者は、雑談が人生に与える影響を「人間関係が変われば人生も変わる」とまで強調。
本記事では、基本の7つのルールに加え、初対面・知人・ビジネスシーン別の実践的な雑談ポイントをまとめます。

  • 雑談とは?
    ・友達との気を使わないおしゃべりでもない
    ・ビジネス上のきちんとした会話でもない
    → 「微妙な間柄の人と、なんとなく仲良くなるための繊細な会話」
  • 雑談の効果
    ・人付き合いが楽になる
    ・仲良くなれる
    ・仕事の人間関係がスムーズになり信頼される
    ・人脈が広がり、チャンスが増える
  • ポイント
    ・雑談には“適した話し方”がある
    ・才能ではなく、技術や知識で補える → 学べば誰でも身につけられる


基本の7つのルール

  1. × いつまでも話し続ける → ○ ほどよいところで切り上げる
  2. × がんばっておもしろい話をしようとする → ○ 会話のラリーを続ける
  3. × 情報交換をする → ○ 気持ちをやりとりする
  4. × 時事ネタやニュースを話す → ○ エピソードや経験談を話す
  5. × 否定してアドバイスする → ○ 肯定して共感する
  6. × 質問やあいづちで話を引き出す → ○ 大きなリアクションで一緒に楽しむ
  7. × 会話が途切れたら「別の話題」を探す → ○ 会話が途切れたら「自分に近い話題」に引き戻す
こんな人におすすめ
  • 「雑談が苦手」「何を話せばいいかわからない」と感じている人
  • 初対面の人と会うと緊張して会話が続かない人
  • 会社や職場での人間関係をもっとスムーズにしたい人
  • 会話を楽しみたい

雑談がラクになる!場面ごとの3つの会話術

① 初対面編:相手を観察して「知らないこと」を質問する

初対面では「何を聞けばいいんだろう…」と戸惑いがちですよね。
共通の話題が見つかれば理想ですが、実際はそううまくいかないことも多いもの。

本書では「共通の話題」よりも、むしろ「相手の知らないことを聞く」ことを推奨しています。
まずは相手にフォーカスし、「今」に注目して質問してみましょう。

会話を広げるコツは 現在 → 過去 → 未来 の順番。

  • (現在)「今○○をされているんですか?」
  • (過去)「その前は何をされていたんですか?」
  • (未来)「これから予定はあるんですか?」

この流れなら自然に会話がつながり、相手も自分のことを話しやすくなります。

私自身も相手の“今”を観察してみると、その人の状況に合わせて自然に質問が浮かんでくることが多かったです。
初対面の会話に悩んだら、まずは相手を観察して相手を知ろうとすることが雑談の第一歩なのかもしれません。


② 知人編:自己開示から相手の“習慣”を引き出す会話術

飲み会や食事など、初対面ではないけれど友人ほど親しくもない──
そんな「微妙な間柄」での会話は、どう広げればいいか迷いますよね。

そこで効果的なのが、相手の「好きなこと・ハマっていること」を聞くこと

ただし、いきなり「趣味は?」「こだわりは?」と聞くと相手も答えにくいもの。
そこで次のように “習慣” を切り口にすると話しやすくなります。

  • 「何か続けていることはありますか?」
  • 「最近ハマっていることはありますか?」

さらに、オープンクエスチョンで聞くときは 自己開示から入る のがポイント。

  • 「最近ランニングにハマっていて…〇〇さんは何かあります?」
  • 「この前こんな失敗しちゃったんですが…」

自分から例を出すことで「このくらいの範囲で答えればいいんだ」と相手に安心感を与えられます。
結果、相手も身構えずに自然と話してくれるようになります。

私も実践してみましたが、軽く自己開示をすると相手も「私も…」と乗ってくれることが多かったです。
ただし、自慢やマウントではなく、誰にでもありそうな話やちょっとした失敗談の方が効果的ですね。


③ ビジネス編:リスペクトの姿勢で信頼を築く

職場や営業などのビジネスシーンでも雑談は大切。
ただし、プライベートと違って“はめを外しすぎる”のは危険です。

ここで意識したいのが、「リスペクトする姿勢」

本書で参考になったのは、

  • 「教わる姿勢を見せる」
  • 「褒められる人になる」

という2つのスタンスです。

「それ知らなかったです!」「実はここが苦手で…」と教わる立場を示すと、自然に相手との距離が縮まります。
これは上司や取引先だけでなく、同期や部下との会話にも使えます。

さらにその場にいない人を「〇〇さんのこういうところ尊敬します」「あの人にはかなわないですね」と褒めると、「この人は裏でもいい人なんだ」と信頼を得やすくなります。

逆に、悪口や噂話は要注意。
「あの人はおしゃべりばかり」「噂好きな人」というイメージが広まると信頼は一気に失われます。

私の職場でも、誰かの評価を下げるようなことばかり言う人がいますが、悪口好きな人よりも人を褒められる人の方が圧倒的に好印象を残すと感じています。

要約・まとめ

✅ 初対面では「知らないこと」や相手の「今」に焦点を当てて質問すると会話が広がる
✅ 知人との会話では「自己開示」をきっかけに相手の習慣を聞く
✅ ビジネスではハメを外し過ぎず、リスペクトを持って接する

雑談はケースバイケースで、思うように会話が弾まないこともあります。
けれど大切なのは「面白い話」や「話し方のうまさ」ではなく、相手の話をしっかり聞き、自然に質問というパスを返すこと。そうすることで人間関係は少しずつ良い方向に進んでいきます。

質問を通じて相手のことを引き出し、安心して話せる空気をつくることがポイントです。
本書を通じて感じたのは、雑談に必要なのは特別な才能や高度な技術ではなく、「相手を知ろうとする小さな気遣い」だということ。

『超雑談力』では、このほかにも状況や場面に応じた具体的な雑談テクニックが数多く紹介されています。
人とのコミュニケーションで悩んでいる人や、さらに相手との距離を縮めたいと思っている方に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

書籍情報

【書籍名】超雑談力

【著者名】五百田達成

【出版社】ディスカヴァー・トゥエンティワン

【出版日】2019/12/22

【項数】206ページ

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