せっかく本を読んでも「内容を説明できない」「行動に移せない」という人は多いのではないでしょうか。

実は私も本を読むだけで満足して終わっていました。
読書を続けていればそのうち読書レベルが上がって自然と知識が身につくのだろうと。
しかし、そのような日は一向に来ませんでした。それもそのはず。
読書に対するアプローチができていなかったのです。
そのアプローチこそ読後「なにをするか」=「アウトプット」なのです。
本記事では、私が本書に出会いどのように「読むだけの読書」から「アウトプットする読書」になったのか、著者のアウトプット法や経験をもとに紹介させていただきます。
読書には人生を変える力があります。
是非、本書のアウトプット法を学んでみてください。
著者情報
著者は藤井孝一さん。
ビジネスパーソンが会社から自立するためのノウハウについて、執筆、講演などを行なっています。
書評メールマガジン「ビジネス選書&サマリー」は5万人を超えるビジネスパーソンに読まれています。
経営コンサルタント。株式会社アンテレクト取締役会長。 1966年生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。その間、五年間の米国駐在を経て独立。中小企業と起業家の経営コンサルティングを始める。
~(中略)~
自らの起業体験を生かして考案した「会社を辞めずに、お金をかけずに、低リスクで起業」する、まったく新しい企業スタイルを「週末起業」と名付け提唱、一世を風靡する。
~(中略)~
主な著書に『インディペンデントな働き方』(三笠書房)、『「お金を稼ぐ!」勉強法』、『40歳からのワーク・シフト』(以上、三笠書房《知的生きかた文庫》)のほか、『週末起業』、『ビジネススキル大全』など多数がある。
(藤井 孝一. 読書は「アウトプット」が99%―――その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 . 三笠書房. Kindle 版.より)
本の内容
本書では読書で得た知識を仕事や人生に役立てる方法、アウトプットの方法を紹介しています。
著者はサラリーマン時代から読書で学んだことを「役立つもの」「付加価値」に変化させて成長してきたといいます。
それこそがアウトプットです。

主なアウトプットの方法は3つ。
アウトプットと言っても、何も特別なことをする必要はありません。基本は「話す」「書く」「行動する」――この3つです。
①「話す」 本の内容は人に話すことでより鮮明に記憶され、学んだことをいつでも取り出しやすく(思い出しやすく)なります。また、話してみることで自分がその本の何を理解して、何を理解していないのかもよくわかります。
②「書く」 書く作業は、本の内容をより深く理解する手助けになります。私は読書メモを取っていますが、これは内容を忘れたときの備忘録としても非常に有効です。
③「行動する」 本に書いてあることは、ひとつでもいいから実践すべきです。特にビジネス書は読むだけでは意味がありません。行動することは一番のアウトプットですし、そこまでしないと本を自分のものにできたとは言えないでしょう。
(藤井 孝一. 読書は「アウトプット」が99%―――その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 . 三笠書房. Kindle 版.より)
全体として著書の読書術、アウトプット法、経験、ノウハウの活かし方などビジネスや読書生活にプラスになる内容となっています。
アウトプットに変わる読書のポイント3選
①何に役立てるか自分に置き換える
本に書いてあることを「何かに使えないか」という視点で読んでいくことも、アウトプットのひとつです。
(藤井 孝一. 読書は「アウトプット」が99%―――その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 . 三笠書房. Kindle 版.より)

一見自分にとって何の関係も無さそうな本ですら自分に置き換えて読むことにより新しい考えやアイデアが生まれる、としています。
私は寝る前子供に絵本を読むのですが、子供向きの内容でも自分に置き換えて考えてみると意外な発見があります。
みなさんはイソップ物語の『北風と太陽』をご存じでしょうか。
北風と太陽が旅人のコートを脱がす勝負をするお話です。
北風は力いっぱい風を吹かせて旅人のコートをはぎ取ろうとしますが、旅人はこれに抵抗します。
逆に太陽は温かい光で包み込むことにより、旅人自らコートを脱ぐよう促して勝利を得ます。
物事を進める際に強制しようするといらない反発を招くため、本人の自主性を尊重して促すことで物事をスムーズに進めることになるのですよ、という教えです。
これを自分に置き換え何か役に立てないか考えたとき、子供の説得に大いに役立ちました。
子育てを経験した親御さんならわかると思いますが、イヤイヤ期に入った子供の面倒くささと言ったらなんたるや(泣
おもちゃのお片付け一つとってもイヤイヤモードに入ったら手が付けられません。
怒ったところで子供は楽しいこと、嫌なことでしか区別できないのです。
そこで『北風と太陽』です。
お片付けを楽しいものにして自分から進んでやってもらいます。
トイストーリーの生きたおもちゃさながら「今日もいっぱい遊んだし寝んねしよう!」「人間に見つかってしまう前に隠れなくては!」「おもちゃ箱まで競争だ!」とおもちゃに息吹を吹き込みながら子供が乗ってくるまで粘ります。
はじめは忍耐がいりますが、子供の楽しいスイッチが入るとあとは遊び感覚で自主的にやってくれるようになります。
無理にやらせるより楽しくしたほうが親の精神面上もよろしいですからね。
これは一例ですが、絵本からでも読み方次第で自分の糧にすることができます。
手に取った本が自分に関係無いと思った時こそ、新しい視点から新しい考えが生まれるチャンスなのです。
②本は最初から最後まで読まなくて良い
内容を確実にインプットしながら速く本を読むには、必要なところを拾い読みする、いわゆる「斜め読み」が最短の方法だと思います。 私はさらに、「飛ばし読み」や本の後ろから読む「逆さ読み」など、さまざまな読書法を駆使しています。
(藤井 孝一. 読書は「アウトプット」が99%―――その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 . 三笠書房. Kindle 版.より)

本は最初から最後まで全て読まなくてはならないという概念を打ち崩してくれた内容です。
私は読書をはじめた頃、全てを読み込もうとしていました。
しかし、本の内容をしっかり覚えようとしても次から次に入ってくる情報に脳が追い付かず、読み終えた頃には最初の方の内容なんてうろ覚えどころか白紙に近い状態でした。
原因は読書慣れしていなくて能力的に足りていない部分もあったかと思いますが、一番は目的をしっかり設定していなかったからです。
「なんとなくこの内容が気になる」「ランキング上位だったから」でも読書は成立はします。
ですが、読む目的を設定していないと書いてある内容ひとつひとつに引っ張られ読書の迷子状態になってしまいます。
目的を設定すれば自分に合わせた「斜め読み」「飛ばし読み」「逆さ読み」が可能になります。
「なんとなくこの内容が気になる」→「なんとなくこの内容のメリット、デメリットが知りたい」
「ランキング上位だった」→「ランキング上位だったけどその理由が知りたい」
など、もう一歩踏み込んで目的を設定してみると読むべき箇所はグッと絞れます。
もちろん小説のように楽しむこと自体が目的の場合はじっくり読みましょう。
ビジネス本やノウハウ本のように仕事や実生活のための本ならば、全て読もうとせず必要な内容だけを拾うことにより、効率良く読書は進められるようになるでしょう。
③ノウハウの10%でも実践
本に出てきたノウハウの10%でも実行できたら、上出来です。相当なアウトプットの達人でしょう。書いてあることのひとつでも実践できたら十分です。
(藤井 孝一. 読書は「アウトプット」が99%―――その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 . 三笠書房. Kindle 版.より)
本を読んでも行動に起こさないのは読んでないのと一緒とされています。
しかし、やることを増やしすぎるとつい足踏みしてしまったり、継続することが難しくなったりします。

そこで本書では、ノウハウの10%、書いてあることの1つでも実践することをすすめています。
私の場合は印象に残った内容を3つに絞り実践しています。
そこで自分に合う合わないか判断し、「習慣化できそうか」「自己流にアレンジするか」「合わないからやめるか」判断しています。
ちなみに次に読んだ本の内容の方が良さそうならあっさり乗り換えたりもします。
大事なことは少しずつでも実践していき自分を変化させていくこと。
ダーウィンの進化論でも生き残ってきたものは変化させてきたものと言っています。
話が壮大で伝わりにくいですが、変わらないもの=現状で満足している人、変わろうとする人=成長しようとする人、と言い変えると後者の方が聞こえが良くないですか。
つまりは本の10%、1つでも実践していき変化していきましょうということ。
変化し続けることを意識し成長していることを実感できれば、インプットする読書、アウトプットする日常の両方が今より楽しくなるはずです。
まとめ
- アウトプットしてリターン倍増
- 自分に置き換える
- 必要なところだけ読む
- 10%、1つの実践
- 読書は変化、成長を与えてくれるメンター

本書では本を読むだけでは終わらせないアウトプットする方法が載っています。
他にも読書をルーティンに組み込む方法やお金を稼ぐ人の本の読み方など、ためになる内容が載っています。
人生を変えたいと思っている人は是非、藤井孝一氏の『読書は「アウトプット」が99%』を手に取ってみてください。
書籍情報
【書籍名】読書は「アウトプット」が99%
【著者名】藤井孝一(ふじい こういち)
【出版社】三笠書房
【出版日】2013/12/24
【項数】221ページ
【目次】
・1章 もっと「本の話」を誰かとしよう
・2章 「速読」よりも「乱読」せよ!
・3章 読書を最高の「自己投資」にする技術
・4章 「お金を稼ぐ人」は、本をこう読む!
・5章 私は、こんな本を読んできた
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